恐れ知らずのドーベルマン

お話は前後しますが、生後３か月の

ある日のお散歩中の出来事です。

家では２階に上がらせないので、

「階段を上がる練習をしておくのもいいかも」

と思い、公園の中にある階段を上らせてみました。

階段を見ると嬉しくなったのか、

一気に駆け上がろうとしました。

私はこの頃、足を痛めていてゆっくりとしか歩けず

「待て」と言いながら、５段ある階段をクークと

１段ずつ上がっていったのです。

５段を上り切り、「さあ、今度は降りてみましょう」

と振り返って階段の方を向くや否や、

飛んだのです。

３カ月の子犬はダイブしたのです。

 

 

この時、私の頭の中には色々なことが

次から次へと、いえ、ほぼ同時に浮かびました。

「なぜ飛んだ？！？」

「足がズキズキしているのに」

「リードを放す？」

「だめ！」

「クークは着地できるの？」

「大丈夫？」

「大丈夫じゃないかも」

「まだ３カ月なのに」

「私足が痛い」

「どうして飛んだ！？！」

「私どうやって着地するの？」

「猫の着地をイメージ！」

 

たかだか１メートルほどの高さなのですが、

足が痛い私にとっては、その何倍もの高さに感じられたのです。

コンクリートの階段、その下の地面もコンクリート。

はたして　クークは４本足では着地しきれず、

胸で胴体着陸。

私は瞬時に猫になりきれたのか、

転ぶこともなく無事に着地出来ました。

どちらも怪我はなかったのですが、

私はその日の気力、体力共に使い切ってしまい、

お散歩途中でしたが家に帰りました。

 

４才になった今でも、階段や坂を前にすると

興奮して駆け上がりたくなるようです。

去年も４本足で着地しきれない所から

飛び降りました。

 

そういえば、何かで読んだ覚えがあります。

ドーベルマンは、恐れを知らない勇敢な犬だと。

 

 

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