子犬がおなかを見せてコロコロするのは
ごく自然な事だというイメージがあったのですが、
クークは4カ月になってもおなかを見せる事はありませんでした。
この頃の私は、犬がおなかを見せる=服従、あるいは信頼、
だと思っていたので、いつになったらおなかを見せてくれるのかしら、
と待っていたのです。
遊んだ時や、体に異常がないかチェックをした時に、
そっと仰向けになるように持って行くのですが、
慌てて伏せの体勢に戻ります。
横向けにはなるのですが、
頑としておなかを上に向ける事はなかったのです。
おなかも足も尻尾も、どこを触っても嫌がらないので
「焦る必要もないか」と思っていたある日の事。
廊下で、ゴキゲンスイッチが入った
20キロオーバーの子犬がぶつかって来たのです。
あまりの痛さに私の、キョウハユルサンスイッチが入ってしまいました。
どちらが上なのかはっきりさせれば、激突される事もなくなるかもしれない、
子犬を仰向けにしてやろうと思ったのです。
仰向けにされまいと、クークも必死で抵抗しました。
お互い黙々と、柔道の寝技のかけ合いのような
地味な戦いを10分ほどしたのです。
2月なのに汗をかき、どちらも息を切らしてハアハア言いながら。
今 思い出しても可笑しくて笑ってしまうのですが、
その時は笑っていられなかったのです。
そして、勝利したのです。
遂に子犬を仰向けにしたのでした。
これが功を奏したのかは分かりませんが、
この後家の中では、ゴキゲンスイッチが入っても
私にぶつかって来る事はなくなりました。
そして、「コローン」と言えば仰向けになるようになったのです。
クークは4才になった今でも、ヘソ天で寝る事は一度もありません。
横向きで寝ています。
犬がおなかを見せるのは、服従だけではなく、
信頼している相手にもおなかを見せるそうです。
そのほか、お家でリラックスして「いい気持ちだー」「安心できるなあ」
と思っている時もあれば、自分より強い犬に「降参」する時にも。
人より自分の方が偉いと思っているワンコは
「撫でろ」と言っているとか。
マッサージのしかたが悪いと、噛んだりする事もあるようです。