耳と、短い尻尾をぴたりと体に添わせ、
私の後ろに逃げて座り込んでも、
回り込んでニオイを嗅ぎに来るワンコ。
そんなワンコに会った日は、
「嫌です、止めて!と言っていいよ」
帰り道、いつもクークにそう言っていました。
このころ私は、まだ犬と犬の間に入り、
止めてもらう事を知らなかったので、
クークと一緒に困っていたのです。
ある日、
いつものようにニオイ嗅ぎに来たワンコに
「ウウ~ わん!」
と、クークがはっきりと意思表示をしたのです。
相手のワンコは
「え?だめなの?」
という顔で、あっちを向いて
ニオイ嗅ぎを止めてくれたのです。
なかなか立たなかったクークの右耳が、
この日から立つようになりました。
2才と半年ほどが経った日のことです。
それから後も、
挨拶以上、あるいは
挨拶ではない ニオイ嗅ぎをされると、
鼻をぐいっと上げ、前歯を見せて
「やめてね」と意思表示しています。
「ちゃんと言えたよー」