7か月のベビーシッター

生後7か月と20日が経った頃のことです。

しばらくの間、3才の女の子と暮らす事になりました。

クークはこの女の子が大好きです。

姉妹か、お友達のように思っているみたいなので、

喜び過ぎないように気を付けなければいけません。

いつもなら「ウレシイ!」スイッチが入る前に「フセ」をさせます。

そうしないと、女の子の顔を舐めたり、

お尻を丸めて走り出して、転ばしてしまうかもしれないのです。

 

でも、今回は違いました。

 

女の子が「家に帰る」と玄関で泣いていた時も、

クークは鼻でそっと女の子にタッチします。

「泣かないで」と言っているのでしょうか。

女の子に「さわらないで!」とおこられると、トボトボと戻ってきました。

でもまたすぐに女の子の所へ行き、そっと寄り添います。

女の子が泣きながら「あっちいって!」と言うと、

やはりクークはトボトボと戻ってきます。

こんなやり取りを10回ほど繰り返したあとは、

女の子の機嫌も直り、お姫様ごっこが始まりました。

怪獣に襲われるお姫様が「たすけて~」と言うと、

王子様役のクークは助けに行かなければなりません。

ある時はお父さん、またある時は買い物客に。

お絵かきが始まると、今度は郵便屋さんになるクーク。

ごっこ遊びが終わると、クークのクッションに一緒に座り、

テレビ鑑賞会です。

2013-5-28(2)

女の子が歌いながら歩きだすと、

嬉しそうに尻尾を振りながら、後ろについて歩きます。

 

クークのおかげで、私は時々吹き出しそうになるのをこらえながら、

本を読んでいるフリをしているだけで良かったのです。

 

 

 

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