生後7か月と20日が経った頃のことです。
しばらくの間、3才の女の子と暮らす事になりました。
クークはこの女の子が大好きです。
姉妹か、お友達のように思っているみたいなので、
喜び過ぎないように気を付けなければいけません。
いつもなら「ウレシイ!」スイッチが入る前に「フセ」をさせます。
そうしないと、女の子の顔を舐めたり、
お尻を丸めて走り出して、転ばしてしまうかもしれないのです。
でも、今回は違いました。
女の子が「家に帰る」と玄関で泣いていた時も、
クークは鼻でそっと女の子にタッチします。
「泣かないで」と言っているのでしょうか。
女の子に「さわらないで!」とおこられると、トボトボと戻ってきました。
でもまたすぐに女の子の所へ行き、そっと寄り添います。
女の子が泣きながら「あっちいって!」と言うと、
やはりクークはトボトボと戻ってきます。
こんなやり取りを10回ほど繰り返したあとは、
女の子の機嫌も直り、お姫様ごっこが始まりました。
怪獣に襲われるお姫様が「たすけて~」と言うと、
王子様役のクークは助けに行かなければなりません。
ある時はお父さん、またある時は買い物客に。
お絵かきが始まると、今度は郵便屋さんになるクーク。
ごっこ遊びが終わると、クークのクッションに一緒に座り、
テレビ鑑賞会です。
女の子が歌いながら歩きだすと、
嬉しそうに尻尾を振りながら、後ろについて歩きます。
クークのおかげで、私は時々吹き出しそうになるのをこらえながら、
本を読んでいるフリをしているだけで良かったのです。