4才のクークのお話です。
去年の冬、このころ主人はほぼ毎晩、
食卓の椅子に座ったまま寝ていました。
もうそろそろ寝そうだな、と感じると、
私は声をかけるのですが、
「うんうん」と言いながら寝てしまいます。
「風邪ひくよ」
「お布団は気持ちいいよ」
「2階で(猫の)りくが待ってるよ」
何と言っても寝てしまいます。
放っておくと、2、3時間は寝ています。
椅子から転げ落ちた事もあります。
起き上がって、また椅子に座り直し、
そして寝ます。
その後、お布団で3時間ほど寝て、
お仕事に出るのです。
そんなある晩、
また椅子に座ったまま寝てしまった主人は、
船を漕ぎ、目の前のカップを倒し、
中のお水をこぼしてしてしまいました。
それでも寝ています。
私は主人に向かって
「起きて!2階に上がって!!」
と大きな声で言いました。
すると、主人だけでなく、
クッションで寝ていたクークも
起きたのです。
クークは、目をパチクリとさせている
主人の顔を何度も見上げながら、
主人の足元でクルクルと回っていました。
さて 次の日の夜です。
またいつものように、
椅子に座ったまま寝てしまいそうな主人が、
瞼を閉じようとした瞬間です。
私が言葉をかけるより先に、
クークが主人のところへ行きました。
まずニコっと主人に微笑んで、
「父ちゃん、起きて」と鼻で、
主人の頬っぺたに「ちょん」
とタッチしました。
もちろん、そのくらいで起きないので、
クークは何度も繰り返します。
クークの笑顔です。↓
→→
↓ ↓ ↓
寝ている主人には見えるはずもないのに、
必ず笑顔を作ってから、
鼻で「ちょん」とするのです。
その姿の可愛さと、健気さに、
笑いと一緒に涙が溢れてきました。
主人も本当は、
こんなお嫁さんが欲しかったことでしょう。
この日以来、
主人が椅子で居眠りをしそうになると、
クークが起こしに行ってくれます。