父ちゃん 起きて

4才のクークのお話です。

去年の冬、このころ主人はほぼ毎晩、

食卓の椅子に座ったまま寝ていました。

もうそろそろ寝そうだな、と感じると、

私は声をかけるのですが、

「うんうん」と言いながら寝てしまいます。

「風邪ひくよ」

「お布団は気持ちいいよ」

「2階で(猫の)りくが待ってるよ」

何と言っても寝てしまいます。

放っておくと、2、3時間は寝ています。

椅子から転げ落ちた事もあります。

起き上がって、また椅子に座り直し、

そして寝ます。

その後、お布団で3時間ほど寝て、

お仕事に出るのです。

 

そんなある晩、

また椅子に座ったまま寝てしまった主人は、

船を漕ぎ、目の前のカップを倒し、

中のお水をこぼしてしてしまいました。

それでも寝ています。

私は主人に向かって

「起きて!2階に上がって!!」

と大きな声で言いました。

すると、主人だけでなく、

クッションで寝ていたクークも

起きたのです。

クークは、目をパチクリとさせている

主人の顔を何度も見上げながら、

主人の足元でクルクルと回っていました。

 

さて 次の日の夜です。

またいつものように、

椅子に座ったまま寝てしまいそうな主人が、

瞼を閉じようとした瞬間です。

私が言葉をかけるより先に、

クークが主人のところへ行きました。

まずニコっと主人に微笑んで、

「父ちゃん、起きて」と鼻で、

主人の頬っぺたに「ちょん」

とタッチしました。

もちろん、そのくらいで起きないので、

クークは何度も繰り返します。

 

クークの笑顔です。↓

2015-10-16(2)→→2015-10-16

 

2015-10-31(3)

 ↓ ↓ ↓

 

父ちゃん起きて-300

 

 

寝ている主人には見えるはずもないのに、

必ず笑顔を作ってから、

鼻で「ちょん」とするのです。

その姿の可愛さと、健気さに、

笑いと一緒に涙が溢れてきました。

主人も本当は、

こんなお嫁さんが欲しかったことでしょう。

 

2017-1-12(6)

 

この日以来、

主人が椅子で居眠りをしそうになると、

クークが起こしに行ってくれます。

 
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