ただ通り過ぎるだけの自転車
は平気なんです。
でも、
「やあ、クークちゃん」とお散歩でよく会うかたが
自転車を止め、声をかけて下さっても吠えてしまうのです。
まるで、びっくり箱から飛び出てきた人に出くわしたように。
自分が「自転車側」になったらどうするんだろう?
そう思い、クークを自転車について走らせてみる事にしました。
何かの拍子にリードが手から離れてしまわないように、
普段は使わない首輪で、自転車のハンドル部分に
リードをつなぎました。
クークは「一体何が始まるんだろう」と
目をパチクリとしていました。
車や、人通りのない道で、まずは自転車を押して歩きます。
しばらく歩いた後、私はゆっくり自転車に乗り、
「ツケ!」と言いながら、人の早歩きくらいの速さで走りました。
最初は「ワンワン!」と吠えながら
リードをくわえ、はしゃいだ感じだったのですが、
すぐに横について走り出したのです。
15分ほどゆっくり走って、
家に帰るとクークはぐっすりと眠りました。
初めての自転車体験で疲れたのでしょう。
はたして「自転車側」デビューしたクークは、
「話しかけてくる自転車に乗った人」にはどうしたのでしょうか。
やはり吠えました。
しかし「吠えないで」と教え続けていれば、
やがて吠える事は少なくなっていきます。